地域の想いを、1冊のパンフレットに宿すという仕事

行政が制作するパンフレットは、制度や施策を「知らせる」ためのものだと思われがちです。 しかし私たちは、それ以上の役割があると考えています。

それは、「地域の想い」を言葉とデザインで丁寧にすくい上げ、市民に届けるという役割です。

なぜ行政のパンフレットが「読まれない」のか

丁寧に作られていても、自治体のパンフレットが「伝わらない」「読まれない」と言われてしまうことがあります。 その理由の多くは、「受け手目線」が抜け落ちていることにあります。

例えば、専門用語が並び、現場の声が見えないもの。 見た目は美しくても、市民の暮らしとの接点が見えづらい構成。

そうした情報は、制度を必要とする人にとって「自分ごと」として届きにくくなってしまいます。

伝えるべきは制度ではなく「想い」と「現場の温度」

パンフレットは“誰のために”届けるものか。 その視点に立ち返ると、見えてくるものがあります。

たとえば、ある障がい福祉制度を案内するパンフレット。
「制度があること」を伝えるだけでなく、
「なぜその制度が必要とされているのか」
「その制度をつくった背景には、どんな現場の声があったのか」

——そうした“想い”に触れたとき、人の心は動きます。

制作過程で「職員の想い」を汲み取るヒアリング力

私たちSpinning Moonは、パンフレットを単なる印刷物とは捉えていません。

企画段階から関わり、職員の方々との対話を通じて 「本当に届けたいメッセージ」を一緒に掘り起こしていきます。

たとえば、現場職員の声を取り入れたインタビュー構成。 住民が手に取ったときに、自分の生活と自然につながるようなストーリー性のある展開。

こうした設計は、制作の初期段階でどれだけ“想いを共有できるか”にかかっています。

デザインではなく“意味を形にする”プロデュース視点

見た目に美しいだけでは、意味が伝わりません。 パンフレットは「情報」と「想い」の橋渡し役。

「届けたい人に届く」ためには、 ・読み手の目線で構成を組み直す ・言葉のやさしさ、分かりやすさを吟味する ・色や書体で「安心感」や「信頼感」を設計する

など、細部まで“意味づけ”が必要です。

私たちは、 想いのヒアリング → 言語化 → 構成 → デザイン → 印刷・納品 までを一貫して支援できるチーム体制を整えています。

そのすべての工程で、以下の視点を大切にしています。

  • Experience(経験):現場職員や市民のリアルな声を反映
  • Expertise(専門性):福祉や地域施策の背景を理解した上での編集・構成力
  • Authoritativeness(権威性):行政文書としての正確性と信頼性
  • Trust(信頼):読み手に安心感を与えるトーンとビジュアル設計

制度だけではない、 「その背景にある想いごと」届けるパンフレットを 行政の皆さまと一緒に作り上げていけたら幸いです。

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