
❶ なぜ「問い」から始めるのか?
ブランドは「答え」ではなく、「問い」の中から見えてくるものです。
“自分たちは何者か?” “このまちはなぜこの営みを続けてきたのか?”
こうした問いが、地域や組織の本質的な「らしさ」や「志」へと向かう道しるべになります。
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❷ 事例に学ぶ問いの力
● 熊谷市:「スクマム!クマガヤ」の問い

熊谷市では、その地で盛んなラグビーを通じて「市民が一体となるとはどういうことか?」という本質的な問いから始まり、“スクラム”という概念を象徴化したシンボルとともに市民の意識統一を図りました。
問いが“思い”へ、そこから“表現”へとつながる明快なプロセスへと導いていきます。
● 下関市:「実感」に寄り添う問い

下関市では、「住んでいる自分たちにとって、このまちの価値とは何か?」という問いを明確するために、市民を交えたワークショップを始めました。
フグが盛んなイメージが多い中、市民の人たちから違った魅力がたくさん拾い上げられ、
外から見える魅力ではなく、“暮らしの中で感じる誇り”を浮かび上がらせる問いへと成功しました。
❸ Spinning Moon流「問いから始める」プロセス
- 問いを立てる
- 地域や組織に合った問いを職員・市民とともに設計。
- 例:「我が地域の‘やさしさ’とは何か?」「ここにいて心地よいのはなぜ?」など。
- 対話の場を設ける
- 小規模ワークショップで問いを共有し、多様な声を引き出します。
- 職員、市民、関係者が自然に語り合う場から、共通の視点が立ち上がります。
- 問いを「言葉」に変える
- 感じた想いをキャッチコピーやブランドワードに翻訳。
- そこに込められた意味や背景を丁寧にドキュメント化します。
- 問いを「形」にする
- ロゴ、デザイン、トーンなどとしてビジュアル化。
- 制度や施策とともに「感情」「誇り」「共感」の温度を伝えます。
- 問いを「広げる」
- 提案書や広報素材に展開し、内部浸透と外部発信の両輪に。
- ワークショップの成果を起点に、継続的な声の蓄積と共鳴を目指します。
❹ 問いが育てる信頼と共感
問いから始めることで、関係者にとって“当事者感“が醸成されます。
“読む人”から“つくる人”へ。その共感がやがて誇りへと育ち、人々はブランドを自らのものとして育てていくのです。
❺ 小さくても、この問いかけ
大都市の大枠ブランディングだけではありません。
Spinning Moonでは、部署単位・地域単位での小さな問いからもブランドが始まると考えています。
- 採用広報:「私たちと働くとは何か?」という問いから職員インタビュー深掘りへ。
- 子育て施策:「子育てで支えられた安心とは何か?」を住民の言葉で拾う共創設計。
- 高齢者向け活動:「ここにいる価値」を問い、利用者・職員・家族の声を交えたブランド設計。
さいごに
問いは、ときに答え以上に豊かな広がりをもたらします。
「問いから始めるブランディング」は、地域・行政・企業の共感を深め、
表層的な情報発信では得られない共鳴を生み出します。
Spinning Moonは、問いと共に歩む“小さな問い掛けの伴走者”として、
あなたの組織と地域の“らしさ”を一緒に見つけ、伝えていきたいと考えています。