インスタで信頼を育てる。行政広報が“共感”で選ばれる時代へ

かつての行政広報は、正確性と網羅性が第一でした。 けれど今、SNSという“つながりの場”において大切なのは、住民との「共感の接点」をどう築くかです。

InstagramをはじめとするSNS運用は、単なる情報伝達ではなく、「地域との関係性を育てるメディア」になりつつあります。

SNSで求められるのは、“共感力”と“信頼感”

自治体がInstagramやX(旧Twitter)を開設する事例が増えていますが、 フォロワー数や投稿回数だけでは成果を測ることができません。

重要なのは、

  • 情報が“必要な人”に届いているか
  • 読み手が「これは自分のための投稿だ」と感じられているか
  • 見た人の行動につながっているか

つまり、自治体のSNSにも、信頼と実感が伴う発信が求められているのです。

専門性ではなく、「経験と実感」を言葉にする力

私たちSpinning Moonが大切にしているのは、制度を一方的に伝えることではありません。

たとえば子育て支援や福祉の制度を紹介する場合、 ・実際に制度を使った人の声 ・支援に携わる職員の現場感覚 などをすくい取り、伝わる言葉に翻訳していきます。

行政が持つ“制度の正確性”と、地域が求める“共感できる語り口”のあいだをつなぐ存在として、 経験に根ざした編集力が必要とされています。

住民が「自分ごと」として感じるデザインと構成

SNSの投稿設計は、ただ目立つことが目的ではありません。 一目で「これは自分に関係ある」と感じられること。 安心感や信頼感を与えるトーンであること。

・やさしい色使いと温度感のある写真 ・専門用語を使わず、誰にでも伝わる文章・1回で伝えきろうとせず、継続的なシリーズ構成

・自分が主役に。例えば神戸市公式のInstagramアカウント「@mysweetkobe」は若者が神戸市の魅力を広めていく参加型の投稿で人気を集めました。

こうした設計が、住民とのあいだに“なじむような信頼関係”を育てていきます。

「伝える」から「育てる」へ。行政のSNSにできること

SNSは、単発の投稿ではなく、“関係性を育てる場”です。

私たちは、 ・月1〜2回の発信支援(原稿+デザイン) ・ターゲット層に合わせたトーンの設計 ・職員と一緒につくる投稿ワークショップ など、小さく始めて継続できる体制をご提案しています。

デジタルの中に、人の温度を宿す——。 そんなSNS運用を、行政の皆さまと共に育てていけたらと願っています。

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