
前回の記事ではより良い街づくりをするためには「感情設計」が大事だとお伝えしました。今回の第4章では、感情設計によって成功した事例をご紹介させていただきます。
4-1. 安心感の事例|静岡県沼津市「自動運転技術によるスマートシティ化」

静岡県沼津市では、2020年に国土交通省の「Project PLATEAU」の一環として、自動運転技術の実証実験を開始しました。産業技術総合研究所のVPS(Visual Positioning System)を活用し、現実の風景から高精度に位置情報を特定する技術を用いて、自動運転車両の自己位置推定精度が検証されました。この取り組みにより、市民の利便性向上や環境負荷軽減が期待され、安心して暮らせるスマートシティの実現に一歩近づいています。
ポイント:先進技術を活用した取り組みが、市民の生活の質を向上させ、安心感を醸成。
出典:地域活性化の成功事例10選|効果的な取り組みのポイントとは(TOPPAN)
4-2. 誇りの事例|長崎県平戸市「平戸百菓繚乱プロジェクト」

長崎県平戸市では、2020年から「平戸百菓繚乱」プロジェクトを開始しました。この取り組みは、平戸藩主であった松浦家が作成していた図鑑「百菓之図」にちなみ、100種類のお菓子を作ることを目指すものです。地元の菓子店が参加し、歴史的背景や文化交流を活かした商品開発を行っています。このプロジェクトにより、地域の歴史や文化に誇りを持つ住民が増え、地域ブランドの確立にもつながっています。
ポイント:地域の歴史や文化を活かした商品開発が、住民の誇りを育み、地域ブランドの確立に貢献。
出典:各地域における地域ブランドを活用した 地域経済活性化の取り組み(日本商工会議所)
4-3. 共感の事例|茨城県つくば市「自治体ポータルアプリ『つくスマ』の導入」

茨城県つくば市では、多国籍化が進む中、住民一人ひとりの属性に応じて情報を提供する自治体ポータルアプリ「つくスマ」を開発しました。このアプリは、多言語対応を実装し、外国人住民にも必要な情報をスムーズに提供できるようになっています。また、自治体職員や住民の意見をもとに新機能を追加実装することで、双方向のコミュニケーションが可能なサービスへと進化しています。この取り組みにより、住民との共感が生まれ、地域への愛着が深まっています。
ポイント:住民の多様なニーズに応える情報提供が、共感を生み、地域への愛着を深める。
出典:地域活性化の成功事例10選|効果的な取り組みのポイントとは(TOPPAN)
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。全4章でお伝えしてきましたが、より良い街づくりに欠かせないポイントは「感情設計」です。
感情設計とは、「安心感」「誇り」「共感」の3つ。
この3つがバランスよく揃うことによって、住民の満足度が上がり持続・進化する街が創られていきます。
ぜひ地域ブランディングでお困りの方はご相談お待ちしております。
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